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ヒップホップのトラックメイカーがAbleton Liveを使うべき3つの理由

   

Ableton Live 9 Logo
IT系テックブログみたいなタイトルになってますが,もともとぼくはそういう界隈の人です.ヒップホップ界隈ではDTM関連のテックブログが本当に少ないのでそれぶったタイトルにしています.

これまで
– ACID Music Studio
– Logic
– Native Instruments MASCHINE
– Ableton Live 9 Suite
– PIONEER TORAIZ SP-16
と様々なDAW/機材を使いまくってきました.奇跡的にMPCは一回もありませんが,ここまできたらもう意地でも使わないつもりでいます.そしてここ最近はAbleton Liveでのビートメイキングにどハマりしています.

ヒップホップのビートメイク全般についてやっぱAbletonはかなりマッチしてると思うのでもっと布教していきたいのであります。ということでヒップホップのトラックメイカーにAbletonが合う理由についていくつか書いていきます.

1 ループベースの作曲ソフトである

サンプリングにせよ最近の打ち込みトラップビートにせよ、ヒップホップの曲構成は他のクラブミュージックと比較しても特にループがベースとなっているといえます.作ったループを元に,そこに音を足し引きして展開を作っていくわけです。つまり、ビートの構成要素たる「部品」を作ってリアルタイムに組み合わせていくAbletonとは理論上相性がいいはずなんですよ。

Ableton Cells
Abletonというと,この細胞みたいな画面が一般的で,たいていの人の第一印象は「なにこれ…むずかしそう…」です.しかしこの画面こそがAbletonがAbletonたる所以であり,ドラムビートや上ネタ,ベースラインといった各要素を部品別にいくつも作り,それを好きなように組み合わせて足したり抜いたりしながら音楽を作っていくことにつながっていくのです.

ちなみに
Ableton DAW
心配しなくともちゃんとこういう画面もあります.

ヒップホップの人たちは「感覚的に使えないと本当に全くダメ」という人が多いので難しいところではあるものの,慣れればこんなに感覚的なソフトもあんまりないように思います.

2 意外とヒップホップっぽい音ネタが入っている

Live Suiteでは特にそうなんですが,意外とヒップホップ好きでもちゃんと反応できるような音ネタが入っています.現に最近ぼくのビートでは,あえてLive収録のプリセットサウンドを馬鹿みたいに多用しています.たとえば近いうちに配信限定でリリース予定のYes, Yes, Y’All! (feat. TA-TI)のインスト版を特別に公開すると…


いかがでしょうか.

このビートは外から引っ張ってきたメインのループネタ以外はすべてAbletonのプリセットをそのまま打ち込んでいます。
– ドラムネタ: Drum Kit – Core Coral
– 上のピアノ: Simpler – Grand Piano
– 下のベースライン: Operator – Hip-Hop Sub Bass
あたりですね.

このビートに関しては,自分では呼煙魔ビーツのフレイバーにIN YA MELLOW TONE的なキラキラ感をほんのり上乗せしてから,俺好みなアーバンさが出るように鳴りを調整したイメージです。
今模索しているのはこのグランドピアノの音をもうちょっと擦れた煙たい音にすることで,現状ではフリーVSTのiZotope VinylをかけてからAbletonのWarm Up Highsでサチュレーションしています.この2つは90’s的な音づくりをする時には必ず使っている組み合わせで,もっといえばWarm Up HighsはAbletonのエフェクト群の中でもかなり気に入っているもののひとつです.

3 サンプリングネタに厚みをつける

これ最高すぎるのであんまり教えたくないんですけど、Abletonの伝説的最高機能「ハーモニー抽出」はサンプリングベースで制作する人間にとっては本当に死ぬほど最高です。
簡単に言えば鳴っているサンプルファイルの「ハーモニー」を抽出してMIDIで吐き出してくれる機能です.元ネタがまともな音ならちゃんとしたコードのMIDIにしてくれるので,それを部分的に切り取って好きに改変することで簡単にベースラインが組めたり,伴奏でピアノを足したり,背景にパッドを入れたりとビートに厚みを加えるのが驚くほど簡単になります.

先日の我々のイベントSKC48のゲストで、現役慶應生にしてDMC WORLDで優勝したDJ YUTOくんと話していた時にもAbletonの良さとしてやはりこの機能の話になった.YUTOくんとはジャンルこそ違えど(彼はドラムンベースとかベース系とか作ってるんだと思う)、ハーモニー抽出で自分好みに改変していく方法論としては結構近いなと思った次第です。

参考ビート

参考までに最近Abletonで作ったビートやループを貼っておきたいと思います.

NIGHTRAID


これは方向性としては完全に上のYes, Yes, Y’All!と同じですね.違う点といえばピアノの打ち込みが派手なのと,キツめに音を汚してあるぐらいですかね.

Possession


Abletonでjjjっぽいビートを作ったらどうなるかという壮大な実験.jjjの中でもgo get’em feat. monjuとかと聞き比べてほしい.jjjはサンプルベースでそのサンプルの”連打”に良さがあるように思われがちだけど,その空気感の素晴らしさの根源は圧倒的な”抜き”のうまさだと思う.引き算でビートを作れるのは本当にセンスのいい人だけだと思っていて,少なくとも盛らないと気が済まない俺には無理.
そしてインタビューとか読んでると結構な割合でビートの大部分が打ち込みで作られていたりする.ということでこの曲でも滅多にしないシンセの打ち込みをしていて,キックとオープンハイハットを合わせてキツめにサチュレーションをかけるとこういう鳴りになる.実はjjjは結構キックがもはや割れてるといっても過言ではない鳴りのビートがちょくちょくある.

Smokey Autumn


これはIngenious DJ Makinoっぽさを出そうと努力したビートで,イメージはISH-ONEのMr. AutumnとかBlunted Storyあたりかな.
あの方のビートを知っている方ならわかる通り,特徴はそのベースラインです.ただ,慣れない打ち込みでちょっと動きを作りすぎたかなとは思っている.

他のソフト/機材と比較して

ここで他のソフトや機材と比較した場合について考えていきます.時間がなくなってきたのでとりあえずMASCHINEだけにします.

Native Instruments MASCHINE

native instruments maschine
MASCHINEは登場当時MPCへの強力な対抗馬と言われたものの,最初期の現場では「MPCを買えずヒップホップをわかってないやつだけが使うパチモン機材」ぐらいに思われてた気がします.その当時から使っていた人間としては今ここまで市民権を得てきたことはただただ嬉しいばかりです.そんなMASCHINEと比較したAbletonの強みは,断然「サンプル音源の扱いやすさ」です.MASCHINEはサンプルのストレッチ(ピッチを変えずにBPMをいじること)をするのにいちいちTime Stretchで修正する必要があり,ソフトウェア自体のマスターテンポに自動で追随するような機能が現状では存在しません.つまり少しでもBPMをいじるとサンプルのBPMを手作業で修正しなければならず,TRAKTORの高音質ピッチ修正のノウハウはどこにいってしまったんだという感が拭えません.一方のAbletonでのタイムストレッチは様々存在していて,よくわからなければ最初はとりあえずComplex Proにしておけばピッチ修正はかなり綺麗になります.しかし90’sヒップホップ勢へのわたしのおすすめはComplex一択です.
ableton pitch

ソフトの難しさとしてはAbletonでもMASCHINEでも同じようなもんで最初はかなり難しいと思います.
これを言ってしまっては元も子もないんですが,慣れるまで使い込めば同じことです.

Abletonはソフトウェアなのでパッドで打ち込むことができないという話がありますが,世の中にはMIDIコントローラーというものが存在しているためパッドでの打ち込みも当然できます.ぼくはAbletonでのパッドは普段から(もう存在しませんが)Vestax Pad-Oneを使っています.DJ機材のお店オタイレコードの元ショップ定員(a.k.a.バイトスタッフ)としてMIDIコン切り込み隊長みたいな立ち位置だったわたしに言わせるとこんな簡単にMIDIのアサインができるソフトはなかなかありません.これに関しては長くなるのでまたの機会にします.

そんな感じで

まあそんな感じで,本当は動画を交えて良さを紹介できれば買う人続出の自信があるんですが,そこまで時間をかける余裕もないのでこんな感じにしておきたいと思います.

次期アルバムURBAN CITY CONNEKTION制作中です.参加してみたいラッパーのみなさんも募集中なのでお気軽にご連絡ください.


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