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商業ストリーミングと対比したSoundCloudのあるべき姿

   

俺はSoundCloudの経営がまずくなるよりだいぶ前から「サンクラさっさと潰れろ」って言ってるけど、これ以上ストリーミングが簡単になって利用者も増えたらサンクラは冗談じゃなく潰れる。一生投資された金を食いつぶして生きながらえていくなら別だけど。先に言っておくけど俺は元からサンクラが嫌いだったわけではない。最近「俺らの音楽を支えてきたサンクラさんになんてこと言うんだ!」みたいな白い目で見られるので潰れてほしい理由をちゃんと書く。

ストリーミングの土壌ができる日は遠くない

俺はここ1年ぐらいずっとSpotifyなりApple Musicなりといった商業ストリーミング(本記事ではサウンドクラウド、Audiomackといった無料ストリーミングと対比してあえてこう呼ぶ)の利用者を増やすにはどうすればいいか」っていうことを一貫して考えてるんだけど、特に最近はキングコングの西野さん(本記事の西野さんの言葉は全てまだ『情報解禁』とか言ってんの? | 「魔法のコンパス」キングコング西野オフィシャルダイヤリーから引用)がいうところの
・《純粋な(受け止めるだけの)お客さん》なんて、ほぼほぼ絶滅した
・クリエイターしかいない時代に刺さるコンテンツは『全員クリエイター、全員オーディエンス』になれるものしかない
・『お客さん』を増やすのではなくて、『作り手』を増やした方がいい
っていう話にヒップホップの特徴xストリーミングを絡めていけばストリーミングの母数は増えていくかなと思っているんだよね。具体的には高校生ぐらいで宅録した時点で一回商業ストリーミングにかけるのが当たり前みたいな空気ができればいい。シングル1曲の年間配信は2000円もかからないんだからできない話じゃない。そしてそういった「商業ストリーミングが当たり前」な土壌ができるまでにサンクラが何かしら変わればあのサービスは生き残れると思う。

そもそもラップなんかマジで誰でもやれる

まずは誰もがクリエーターである点について。
特にヒップホップのリスナーはみんなすぐ自分でも始めたがる。ヒップホップがどうこういうと原理主義のうるさい人が湧いてくるけど、とりあえずリズムに乗せてしゃべるだけなら幼稚園児でもできる。
楽器なんか当たり前のように不要でマイクもオーディオインターフェイスもMacBookも別になくたってサイファーはできる。形から始めたがるのは悪いことじゃないけど、本当に何も持ってなくてもiPhoneと地下鉄のWiFi環境だけで実は全部事足りる。最低限の作品なんてYouTubeでビート探してClipboxで落としてスマホでリリック書いて自宅でイヤホンでビート聞きながらiPhoneのガレージバンドでそのままレコーディングして簡易的にミキシングしたらそれでもう宅録作品になるんだよ。あとは地元の先輩でも探し当てて「ラップやりたいんです!!」つって曲聴かせて気に入ってもらえればどっかの宅録スタジオぐらい貸してもらえるようになる。DTM難しいだの機材買う金ないだの言ってる暇があったらスマホ掴んでまずやってみればいいじゃん。俺は今でも自分のラップと歌モノのプリプロは絶対iPhoneで録ってるよ。中学で初めてガラケーでラップ録ってからずっと同じスタイルだよ。

国民皆クリエーター時代に、サンクラは…?

んで話を戻すと、そんなレベルで誰でも始められる音楽があって、まさにこれは西野さんのいうところの「この国には、クリエイター(仕事で情報を発信する人)とセカンドクリエイター(趣味で情報を発信する人)しかいない」ってのと同じ話。世界は少し狭くなっちゃってるけどね。
でもそんな時代が始まったのはだいぶ前の話なのに、サウンドクラウドは「リスナーの利用にフォーカスする」という名目てモバイルアプリから基本的にクリエーター向けの機能をすべて削除してアプリがありえんほどクソ使いづらくなった。そもそも俺が好きだった頃のサウンドクラウドは「他人からfavが来る→そいつの曲を聞きに行く→コメントとかで交流→メッセージでやりとり→コラボとかで新曲がまたサンクラにアップロード→別の他人からfavが」みたいな好循環が売りだったはずで、fav、コメント、repostという特になんの代わり映えもしない当時のSNSの機能を搭載しただけのものだったけど、そこではまさにほぼプレイヤーしかいない世界で互いに交流することはもう既に最初から自然に達成されていた。事実俺もそうやって海外の音楽仲間を何人も作ったしtwitterなんぞ使わずともサンクラ上で拡散されてることで再生数が伸びていた。アメリカ人のラッパーと曲を3つ作り、今でも新曲ができるとメールで送られてくる。
サウンドクラウドはもともと音楽SNSの特色が強いサービスなのに、この時点の方向転換で肝心のインタラクティブ性を担保する部分が全て抜け落ちてしまった。ここで全部が終わり。俺は自分の曲をアップロードする時以外にいちいちパソコン立ち上げてサンクラのWebからコミュニケーション取る気にはならない。はっきりいって面倒臭い。今やそのSNS性すら「自分で作ったオリジナルプレイリストのシェア」とかっていう形で平気でSpotifyに取られる体たらく。
今やサンクラのDMをひらけば出会い系スパムが山のように届き、アップロードしたところでせっかくフォーカスしたはずのリスナーから「サンクラ使いづらいからYouTubeにあげてください」と言われる始末。リスナーからしたらどうせ広告もつかない無料サービスなのになんでモバイルアプリでのオフライン再生に対応しないの?

たとえばYouTubeは…?

「サンクラ使いづらいからYouTubeにあげてください」と言われるそのYouTubeはどうしてるか。あんな簡単にアプリ上から日記感覚で動画をサクッと撮ってそのままアップロードしてその上再生数が伸びればお金まで稼げるんですよ。意味わかります?さっきiPhoneのガレージバンドで作った曲をそのままiPhone上のiMovieで加工して動画にしてアップロードしてそのまま人気が出ればお金まで稼げるんですよ。そこからClipboxでダウンロードして聴く若い子も多いし、ある意味でYouTube自体がハブになってる。

初めサンクラとYouTubeは動画か音声かをホスティングするだけの同質的なサービスだったはずなのに、いつの間にかなんかもうまるで方向性が違うんですよ。サンクラは広告がないことが売りだけど代わりにお金は稼げないし、今はYouTubeなりSHOWROOMなり金銭的なインセンティブを持つプラットフォームにおいてスター性を持った一部のセカンドクリエーターがクリエイターに昇華できるのがネット上で活躍するクリエーターのひとつの夢なわけじゃん。アメリカンドリームのインターネット版みたいなもんなわけじゃん。そうやって切磋琢磨していくなかでクリエイティビティの質が上がっていく流れにあるんじゃないのかね。だから潰れろっつってんだよ。もっと気軽に作った作品で中高生でもやばい奴がちゃんと稼げる土壌を作らなきゃダメなんだよ。俺自身は普段から「俺が音楽やってんのはカネのためじゃないからビートはタダでいい」とか言ってるけど自分より若い奴にはちゃんと稼いでもらいたいし才能ある人間にはちゃんと対価が行くのが当たり前にならなきゃダメなんだよ。

たとえば知り合いが「アルバム出したから買って〜」つってきたとき、これまでなら「興味ねえし面倒くせえけどまあ付き合い出し一応買っとくか」ぐらいの感じでCD買って適当に2, 3曲聴いて「あーあれよかったよ」とか言っときゃよかった。それでクリエーター側も押し売りでちゃんとアルバム1枚分の利益が出せた。それがストリーミング主体になると、「買わなくていいよSpotifyからならタダで聞けるから!」とか言って同じことをされるとクリエーター側に入るのは俺の感覚で3曲聴かれて2円ぐらい、つまりマジでちゃんと回数聴かないと利益にならない。俺はとにかく「ちゃんと聴かれないと評価されない」っていう土壌にしたい。それはPPAPとか江南スタイルみたいにキャラクター性を含むクリエイティビティでも全然いい。

そういった音楽市場を作って行くにあたってサンクラがどう進んで行くかは大変楽しみですね。


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