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YouTubeの上っ面の広告対策と音楽業界の過去に見るウェブコンテンツの在るべき姿

   


再生回数1万回未満のチャンネルには広告を表示させないという謎のルールで広告出稿先を制御し始めたYouTube。インモラルな動画への広告表示を対策するはずが実際にやったのがこれっていうのは一体どういうつもりなんでしょうね。ネットのサービス提供者とコンテンツホルダーについてでも考えてみましょうかね。

先日のおでんに指突っ込む動画もそうだけど、インモラルな動画ほど再生回数は伸びやすい。安易に注目を浴びるためには悪いことをするのが一番手っ取り早いのだ。ISにゴトウケンジさんの首がはねられた動画や、アメリカで老人を射殺する動画、あれが何回再生されたと思っているのか。

ウェブはそれまでとらわれていた時間や場所の制約を取り払うことで利便性、すなわち付加価値を生み出すので、どうしても他人が著作権を持っているようなコンテンツが氾濫しやすい。お笑い番組のキャプチャ動画も死ぬほどYouTubeにアップされているし、それらは未だに広告が表示される。簡単な話で、これを規制するとYouTubeというサービス自体の収益が著しく低下することが目に見えているのだ。そう考えると、コンテンツを生み出す能力も持たない人々がキュレーションという形で自分の労働を収益化する構造を生み出したのも不思議ではない。

ウェブは利便性を高めることに付加価値を与えるという話の一例として、テスラの車載OSのネットワークアップデートが便利だという話をしたら「うちでもやれるけどやるとディーラーに金が落ちなくなるからという理由でやってない」と聴いて唖然としたという話があった(確かNewsPicksのコメント欄で読んだ)。そんな風だからビジネスの新陳代謝が起きないんだろうね。俺は前から言ってるけど、そんなこと心配する暇があったら将来的に必ず発生するJailBreakやroot化の類に起因する事故やリスクを考えるべきで、今でもiPhoneやAndroid、その派生としてのkindleや、さらにはPS VITAにPS4だって既にOSのクラックの話がある。車に乗ったOSなんていう面白そうなものにそれが起きないはずがない。先日もオープンソースに起因するセキュリティホールの話があったばかりなわけで。まあAWSみたいに細かくAuthを分割するのが手っ取り早いのかな。

話が逸れたけど、YouTubeが真にやるべきは、「お笑いのVEVO化」そして「公式動画としての掲載のための営業」なんですよ。在りし日ネットに違法な音楽のアップロードが絶えなかったころ、VEVOという洋楽ミュージックビデオのチャンネルが現れて片っ端からミュージックビデオを公式にアップし始めた。それもめちゃくちゃ古いものまで、しかもやたら高画質で。こうなると、シェアすることを欲する人々(純粋に自分の好きな音楽を聴いて欲しくて違法アップロードに手を染める人々)はわざわざ違法に動画をアップする必要はなくなるし、収益化目的のアンオフィシャルなアップロードに対しても、公式で広告付きの動画がアップされている以上大した閲覧も出ないので広告を規制できるようになる。それをお笑いでもやるべきなのだ。

コンテンツ保有者が「勝手に権利侵害するユーザをBANするなり対策すればいいだろ!」と怒り狂ったところでウェブにおいてそんなのは無駄なんですよ。仮にYouTubeがディープラーニングを使って他人のコンテンツかどうかを自動判定してアップロードできないようにする技術を搭載したところで、コンテンツはYoukuやDailyMotionにアップされて結局のところ損するのには代わりがない。それならちゃんと収益構造を持ったフィールドでコンテンツを提供するのが正しい。同じ議論は音楽業界で既に起きていることで、歴史が証明している。(誰が音楽をタダにしたのか参照)

最近はサンドウィッチマン擁するグレープカンパニーが広告付きの公式動画をアップし始めていて、これはいい傾向だと思う。自分たちのコンテンツがどれだけ広告付きで何者でもない人間の収益になっているか計算した結果だろうか。YouTubeなりgoogleなりからさっさと吉本に営業にでも行くべき。

TVerにせよ自社でストリーミングメディアを作っているが、やはりというか、はっきり言って死ぬほど使いづらい。広告を見せたいという思いが強すぎるあまりに、アプリのUIUXはふざけた造りな上、反応は遅いしコンテンツは探しづらい。その辺りのノウハウがなさすぎて、結局キャプチャされてYouTubeに転載される。

三浦大知もGyaOにライブ動画をアップしてたけど、期間限定という制限があったために結局キャプチャされてネットの海に放流された。いつでも無期限でフリーで観られるレベルで自由じゃないと、結局消費者は、というか特に日本人は、勿体ないだとかいう所有欲が働くのでキャプチャしちゃうんだよ。そうするとどうなると思います?ライブDVDが売れなくなるんだよ。気づけよ。馬鹿か。

堀江さんなんて、自分の(ただでさえ有料メルマガで)やっている質問コーナーの内容から適当にピックアップしたものを、さらにYouTubeの動画(しかも読み上げるだけ)にしたコンテンツで一体追加でいくら稼いでいるんだろうか。

ストリーミングは販売と競合する

そしてこれは当然ながら、こういったウェブベースのコンテンツストリーミングサービスというのはDVD販売と根本的に競合する。でもそんなものはいいんだ。保有することで物質的価値を持つものならコンテンツ以外でやって、コンテンツはコンテンツとして売ってくれればいい。

メディアの販売には原価はもちろん物質的な流通コストがかかるから値段が高いと言うが、実際にはそんなことはない。ストリーミングはストリーミングで胴元に払うシステム利用料がまあまあかさむ。実際にはコンテンツの価値と乖離した物質部分の余剰した付加価値で稼ぎたいに過ぎない。

ストリーミングのビジネスモデルは販売とは根本的に違って、スポットで売り上げる販売とは対照的に、10年後でも同じ曲を同じ人が同じ頻度で聞いていれば同じ収益を得ることが目的になる。だから過去には、利子たる収益を継続的に得られるストリーミングは権利ビジネスになる(ストリーミング時代の音楽産業 音楽は商品から資産へ参照)と予想した。

コンテンツを買っているはずなのにディスクをなくした/破損したら楽しめないというのはおかしくて、結局のところ買っているのはコンテンツではなく、コンテンツが収録されたメディアという名の物質ということになる。ストリーミングで買っているのはそれを「一回聞く権利」で、その都度それを買っているのだ。

CDビジネスをやめるのが怖いんじゃないですか?

これは音楽とかお笑いとか特定のフィールドに限らずメディアを販売している全ての業種に対しての話として脅しでもなんでもなく言うんだけど、ファンが自分の音楽をどれくらい聴いているか、実はあんまり自信がないんじゃないですか?俺は本気でそう思っていますよ。

これまで容姿や顔「だけ」で音楽を売ってきたから、純粋に音楽の再生回数だけでは勝負できないんじゃないの?三浦大知はアイドルだけど、新進気鋭のプロデューサーをガンガン起用して音楽的にも面白いコンテンツを量産してますよ?そういう方向で勝負できないからアイドル的所有欲をくすぐる方面でしかビジネスができない。違いますか。まあCDの売り方が「所有すること」に主眼を置いたグッズと化しているなんていうのは今に始まったことではないんだけど。

実際ぼくはもうCDを買うことは(割合として)99.8%やめていて、それを物質的に保有したい時以外は絶対に買わない。具体的には、この1年で600枚近くのアルバムを聴いたけど、CDとして買ったのは自分の楽曲が収録されている1枚だけ、それを部屋に飾りたくて記念として買っただけ。完全に物質的な所有が目的になってる。

市販の楽曲に関しては、データで一応保有したければiTunes Music Storeか、そこになければCDレンタルで済ませるし、基本的には新譜は全部ストリーミングで聴く。データが消えるリスクのためにAmazon Driveでフルバックアップしているし、なんの問題もない。

はっきり言って、ストリーミングにしてから音楽への支出は激減したと思う。俺が「ストリーミングはもっと高くてもいいはず」と言っているのは、俺が定額食べ放題でいうところの得する側の人間だから。

話を一番最初まで戻すと、結局YouTubeも対策が面倒なんだろうなあ。そもそものところ総再生回数1万回未満のチャンネルなんぞ広告なんか出してても100円にもならないので、そのどうでもいいところを切り捨てることで対策してるぶってるんでしょうね。それでもロングテールとして考えるとそれなりの損失にはなるはずだし、だからこそマトモに対策すべきなんだけどね。とはいえビジネスを破壊する側のgoogleが破壊される側のコンテンツホルダーを説得するっていうのは、まあ難しいんだろうね。めんどくせ。

PS: 最近動画のアップや閲覧の手軽さっていう点ではfacebookの方がはるかに優ってると思うので、ここからまた動画の趨勢も変わってくるかもしれませんね。わたしは既存の大手が潰される図が大好きなのでそれにも期待したいところです。


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