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人工知能は本当に言葉を理解していないのか

   

最初は「人工知能は本当に言葉を理解しているのか」だったんですがタイトルを変えました。

人工知能(というか機械学習)の話になると最近よく「人工知能は言葉の”意味”を理解していないから真に難しいタスクをこなせるようにはならない」と言われる。言いたいことはわからんでもないが、ではそういう我々は言葉の”意味”をどれくらい理解しており、なおかつそれを理解することでどのようなコミュニケーションの円滑化が発生しているのかという疑問が当然のように浮かぶ。

そもそも今人工知能、というか機械学習モデルが言語の理解をするにあたっては、word2vecなどを使って単語を空間にプロットしてその関係を把握するという手法が使われる。ぶっちゃけこれで十分に”意味”を表しているんじゃないかというような気がしてならない。

たとえば人を傷つける文脈での「殴る」「蹴る」「刺す」「殺す」は全て「暴力を振るう」もしくは「他者を傷つける」ような類の”方向性”を持っているけど、単語同士の持つ差異なんていうのは、そのベースとなる方向性に加えて”手段”もしくは”程度”、あるいはその両方の情報がついたことで単語が変わってしまっただけのことではないのかな。言葉自体は文脈で意味が変わるけど、「どの単語と一緒に使われたらどういう用途の可能性が高いか」程度のことなら今は共役関係を見るだけでもそれなりに簡単に計算できるはずだし、それするだけでも「蹴る」がサッカーなのか暴力なのかぐらいは簡単にわかるわけじゃん。現に、特にこれといって意味を理解して意訳しているわけでもないGoogle翻訳も急激に精度を高めてるわけで。

つまり基本となるベクトル(=方向性)と関連ワードを大量に準備して、ある文章に出てくる単語すべての関係を空間的に把握できてしまえば、言葉自体を本当の意味でいちいち”理解”する必要などないのではと思ってしまう。まあ一言に関係っつっても実際には人物的な関係だとか地理的な関係だとかいろんな関係性が存在するので、それをひとつの空間に完全に落とし込むことはもちろん簡単ではないのだけど。

言語の意味を空間的関係で捉えることを理解と呼ぶとすると、もう一つ浮かぶ疑問は、では我々は言語を理解していると言うがその理解はどれほど共通なのかという部分で、なんでそんなにドヤ顔で理解していると言えるのか疑問で仕方がない。

念のために言っておくと、意味理解とはいっても「行間を読む」だとか「空気感から意図を理解する」だとかっていうとまた別の話になる。ただそれに関しても、ケースバイケースなものを片っ端から細かい差異を見ながら条件付けて整理していくのは本来機械学習の得意とするタスクだし(そうやって解くのが正しいかは別としてね)、やって見たら案外できちゃったりしてね。学習のための情報をどう与えてやるかが難しいところですね。


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